打撲は些細なことでも生じてしまう疾患のひとつです。日常生活の中で思いがけずどこかに手足をぶつけてしまった、転んでしまってお尻を強く打ってしまった、というように、ふとしたことが原因であざができたり、痛みが続いたりします。スポーツ中や交通事故などでも打撲はよく見られます。
ちょっとぶつけてしまっただけだからと放置しているといつまでも痛みが続いてしまったり、あざが残ってしまったりすることになるかもしれません。打撲はできるだけ早く治し、あざを残さないためにも適切な処置をすることが大切です。打撲は、筋や皮下組織が損傷してしまっている状態のことをいい、そのために痛み、炎症、内出血などの症状が見られます。痛みは、事故直後ではなくしばらくしてから強くなるケースも多いです。安静にしていても疼く痛みが強く感じられる場合もあります。
炎症は、ぶつけた場所とその周囲が赤くなることですが、内出血を起こすと青紫色になり、数日経つと緑色や黄色のように見えます。数日経ち、変色してもなお痛みが続く人もいます。それ以外には、頭をぶつけ、内出血をしてコブができて腫れることがあります。実際に打撲してしまった際の治療方法をご説明します。
応急処置としては「安静にする・冷やす・固定する・挙上する」が基本です。落ち着いて、負傷した部分を氷やアイスノンなどで冷やし、そして、テーピングなどで固定し、患部を心臓より高い位置に上げます。これを『RICE処置』といいます。その後の治療として整形外科では温熱療法でも患部を温めて、血行を促進させます。他にはツボ押しや筋膜ストレッチなど、様々なアプローチをしていきます。痛みに悩まされて過ごしにくい日々を送ったり、あざが残る心配をしたりする前に、整形外科に相談して適切な処置をしてもらいましょう。