「膝が痛い」と一言でいっても、その原因は様々です。
スポーツをしている若い方なら、靱帯や半月板の損傷があるかもしれません。
中高年の方であれば、変形性膝関節症が関係していることもあります。
また、膝のお皿の周囲が痛い場合と、膝の内側が痛い場合では、考えるべき病気が異なることがあります。
では、そもそも膝はどのような構造になっていて、どこに問題が起こると痛みがでるのでしょうか?
膝は3つの骨からできています
膝関節を構成する主な骨は、
●大腿骨(太ももの骨)
●脛骨(すねの骨)
●膝蓋骨(膝のお皿)
の3つです。
大腿骨と脛骨の間には、クッションの役割をする半月板があります。
また、骨の表面は関節軟骨で覆われています。
関節軟骨は非常に滑らかで、膝を曲げ伸ばしするときに骨同士がスムーズに動くのを助けています。
「半月板」は膝のクッションです
半月板は、大腿骨と脛骨の間にあるC字型の軟骨組織です。
内側にあるものを内側半月板、外側にあるものを外側半月板と呼びます。
半月板には
●膝にかかる衝撃を吸収する
●荷重を分散する
●膝関節を安定させる
などの重要な役割があります。
スポーツ中に膝をひねったときなどに半月板が損傷すると、膝の痛みだけでなく、
「膝が引っかかる」
「膝がロックされる感じがする」
「曲げ伸ばしがにくい」
といった症状が出ることがあります。
膝の靱帯は「関節を安定させる」役割
膝には重要な靱帯があります。
代表的なのが、
前十字靱帯 ACL
後十字靱帯 PCL
内側側副靱帯 MCL
外側側副靱帯 LCL
です。
これらの靱帯は、膝が前後左右に不安定にならないように支えています。
特に前十字靱帯損傷は、バスケットボール、サッカー、スキーなど、急停止や方向転換を伴うスポーツで起こることがあります。ひねったあとから痛みが強く、競技続行が不可能になることがあります。
「膝ががくっとする」「膝崩れが起こる」といった症状がある場合には、靱帯損傷などを考える必要があります。
「膝のお皿」が痛む場合があります。
膝の前面にある骨が膝蓋骨(膝のお皿)です。
膝を曲げ伸ばしするときに、膝蓋骨は大腿骨の溝に沿って動きます。
この部分を膝蓋大腿関節といいます。
ここに負担がかかると、
「階段を降りるときに膝が痛い」
「しゃがむと膝のお皿の周りが痛い」
「長時間座ったあとに膝が痛い」
などの症状が出ることがあります。
特に若い方やスポーツをする方では、膝蓋大腿関節周囲の痛みが問題になることがあります。
年齢とともに増える「変形性膝関節症」
中高年の膝痛で代表的なのが、変形性膝関節症です。
膝の関節軟骨などに変化が生じ、徐々に痛みや動かしにくさが出てきます。
初期には、
「歩き始めだけ痛い」
「立ち上がるときに痛い」
「階段で痛む」
といった症状がみられることがあります。
進行すると、歩いているときだけでなく、安静時にも痛みがでたり、膝が伸びにくくなったりすることがあります。
また、O脚などのアライメント(膝の角度)の変化が出てくることもあります。
ただし、レントゲンで膝の変形があるからといって、必ず強い痛みがでるとは限りません。
画像の所見と症状を合わせて診断することが大切です。
「膝が痛い場所」も診断の手がかりになります
膝痛の診察では、「どこが痛いですか?」という質問が非常に重要です。
例えば、
膝の内側が痛い
変形性膝関節症や内側半月板の障害などが考えられます。
膝の外側が痛い
外側半月板や腸脛靭帯など、様々な原因があります。
膝のお皿の周囲が痛い
膝蓋大腿関節や膝蓋腱などの問題が考えられます。
膝の裏が痛い
筋肉や腱、関節の腫れなど、様々な原因があります。
これらの痛む場所にくわえて、年齢、スポーツ歴、外傷の有無、腫れ、可動域、筋力、靱帯の安定性などを総合的に評価する必要があります。
MRIを撮れば原因がすべてわかる?
MRIは、レントゲンではわかりにくい半月板、靱帯、軟骨などを評価するうえで非常に有用な検査です。一方で、MRIで異常が見つかったからといって、それが必ずしも痛みの原因とは限りません。
特に中高年では、症状がなくても半月板や軟骨などに加齢性の変化が見られることがあるからです。
そのため、診断には「症状」+「診察所見」+「画像所見」を組み合わせて判断することが必要なのです。
こんな膝の痛みには注意してください。
膝の痛みの中には、早めに診察を受けたほうがよいものがあります。
例えば、
●強い外傷のあとに膝が腫れた
●膝が急に大きく腫れた
●膝が伸びなくなった、または曲げられなくなった
●膝崩れを繰り返す
●強い痛みで体重がかけられない
●発熱を伴っている
●痛みや腫れが徐々に悪化している
といった場合です。
「年齢のせいだろう」「運動しすぎただけだろう」と自己判断せず、整形外科で診察を受けることをおすすめします。










