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膝のお皿が痛い―膝蓋大腿関節の痛みとは?

  1. 医療コラム
「階段を降りるときに膝のお皿の周りが痛い」
「長時間座っていて、立ち上がると膝が痛む」
「スクワットをすると膝の前側が痛くなる」

このような症状でお困りではありませんか?

膝の痛みというと、軟骨がすり減る変形性膝関節症や、半月板損傷を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、膝の前側やお皿の周囲が痛む場合には、膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)が関係していることがあります。


膝蓋大腿関節とは?

膝蓋大腿関節とは、膝のお皿である「膝蓋骨」と、太ももの骨である「大腿骨」の間にある関節です。レントゲンでは膝を横から撮影したりするとみることができます。
膝蓋骨は、膝を曲げ伸ばしするときに大腿骨の前面にある溝に沿って動きます。

この膝蓋骨には、重要な役割があります。
それは、太ももの前側にある大腿四頭筋の力を効率よく膝に伝えることです。
膝蓋骨があることで、膝を伸ばす動作を効率的に行えるようになります。

つまり、膝蓋骨は単なる膝の骨の出っ張りではなく、歩く、立ち上がる、階段を昇るといった日常動作を支える重要な構造なのです。


膝のお皿の周りが痛くなる原因

膝蓋骨の周囲や奥に痛みが出る状態には、さまざまな原因があります。
その代表的なものが、膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)です。
PFPSでは、特に次のような動作で痛みがでやすいとされています。
●階段の昇降
●しゃがむ動作
●スクワット
●ランニングやジャンプ
●長時間座ったあとに立ち上がる動作

膝を曲げた状態で大腿四頭筋に力を入れると、膝蓋大腿関節にかかる負荷が増加します。
そのため、階段やスクワットなど、膝を曲げながら体重を支える動作で症状が出やすくなります。

身体的な要素でいうと、膝のお皿の動きそのものや、大腿四頭筋など膝のお皿にくっついている筋肉の柔軟性、持久力、筋力などにも影響を受け、痛みの原因となります。
また、膝だけでなく、股関節や足関節などの機能も関係する場合があります。


若い人にも多い膝のお皿の痛み

膝蓋大腿関節の痛みは、スポーツをする若い方にもよくみられます。
例えば、ランニングやジャンプを伴うバスケットボールやバレーボールなどでは、膝の曲げ伸ばしや、着地を繰り返します。
こうした動作が膝にかかる負荷を増やし、痛みにつながることがあります。

また運動を始めたばかりの方が急に練習量を増やした場合にも、膝の負担が増大し痛みがでることがあります。

一方で、スポーツをしていない方にも起こりえます。
長時間のデスクワークや、普段あまり運動しない生活の中で、立ち上がる動作や階段の昇降をきっかけに痛みを自覚することがあります。

実際の診察では、このような観点から、痛みがでる動作や筋力、関節の動き、日常生活やスポーツの状況などを総合的に確認していきます。


レントゲンやMRIで原因はわかる?

膝の前側が痛い場合、診察と併せて、レントゲンやMRIなどの画像検査を行うことがあります。
レントゲンでは、骨の形や関節の状態、膝蓋骨の位置などを確認します。
MRIでは、軟骨や骨、周囲の軟部組織などを詳しく評価できます。

ただし、PFPSでは、画像検査で明らかな異常がみられない場合もあります。
そのため、画像検査だけでなく、問診や身体診察が非常に重要です。

また、膝蓋骨の脱臼や不安定性、関節軟骨の障害、膝蓋腱の障害など、似た症状を起こす別の病気がないかを確認することも大切です。


治療はどうする?

PFPSの治療では、多くの場合、まず保存療法を行います。

運動量の調整
痛みが強い時期には、ランニングやジャンプ、深いスクワットなど、症状を悪化させる動作を一時的に減らします。
ただし、すべての運動を長期間中止する必要があるとは限りません。
痛みの状態を確認しながら、負荷を段階的に調整していきます。

リハビリテーション
治療の中心となるのが運動療法です。
大腿四頭筋のトレーニングに加えて、股関節周囲の筋肉を鍛える運動などを組み合わせることがあります。
筋力だけでなく、動作の仕方や運動領も見直しながら、膝にかかる負荷を適切に調整していきます。

ストレッチや装具など
筋肉の柔軟性や動作の特徴に応じて、ストレッチなどを取り入れることもあります。
場合によっては、テーピングや足底装具などを補助的に使用することもあります。


膝のお皿が痛いとき、受診した方がよい?

今回の記事でご紹介したPFPSは、膝の前側が痛いときの代表的な原因です。
運動量を調整することで症状が改善することもありますが、
痛みが続く場合や、腫れ、不安定感、動かしにくさなどがある場合には、他の原因が隠れていることもあります。そういう場合には一度、整形外科を受診するようにしましょう。


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